1と2と31のパララックス

男子中学生が1日違いの誕生日で後輩になった幼馴染をいじめる短編小説です(テーマアンソロジー『夢見月夜の誕生日会』に寄稿)。

 早うまれってなんだ。どう考えたって遅いじゃないか。走る速さも九九を覚えるスピードも身長の伸びも何一つ先行しない。  しかも箕島の野郎は、とびぬけて速い。見よ、この弾丸。一年にしてエース、一日にして... 夢見月夜の誕生日会

花は死んでいるのか?

知的探究心のつよい人間によわい人間のオンライン小説です。

 花にしたいなあ。遠見志真は黒板の前で友達と親しく話す彼女をあごでさした。「どう思う?」からあげの肉汁なのか俺のよだれなのかわからない。「どうも思わんが、花にするって?」ずるずると志真はうどんを食う。... Text-Revolutions 第8回アンソロジー「花」

マグロ義務

オートロックの暗証番号を忘れた男が小学生とお話しするオンライン小説です。

 献辞に目も止めなくなり、それすらも物語に組み込むようになったとき、私は大人になったのだと思った。「けんじって何?」あなたへ、あるいは、あなたに捧ぐ。丸まっていた彼の背がごろんと揺れて踏み込み板にぶつ... 小説家になろう

シナントロープ

男子中学生が先輩の自傷の一環として交際するオンライン小説です。

 リストカット先輩はよく中庭に出没し、草むしりをしている。親指と人差し指で雑草の先端をつまんで、ぶちっと切っている。中途半端に残されてぬるい風にゆられる草を、リストカット先輩は容赦しない。ぶちっ、ぶち... 小説家になろう

天使定額あくまサービス

男が定額サービスに負けるオンライン小説です。

 天使のささめきを聞いたことがある。正確にはそれはささめきではなく鼻歌だった。さらに詳しくいえば、だぼだぼのパーカーのポケットに手をつっこんでだらだらと歩いている茶髪の女の鼻歌だった。すれちがったのは... 小説家になろう

クラスメイトが痴漢している女装男

クラスメイトが痴漢している女装男が女かもしれないオンライン小説です。

 クラスメイトが痴漢している女装男を前に考える。彼は気づいているだろうか。電車が揺れてつり革を持った女装男が座席側に身を倒してくる。すでに見慣れた見知らぬ顔は、見知った制服を着慣れていた。スカート、あ... 小説家になろう

コモン趣味

人々に趣味を提供するオンライン小説です。

 しんしんと冷え込む夜から朝に掛けて、ページに換算して一万ページほどの新しい趣味が積もった。もちろんそれは人々の処理能力に追いつかない数で、不必要なものと必要なものを自動的に分けることも限界に近づいて... 小説家になろう

きえないあのあと

あのあと、青年の足跡が消えなくなったオンライン小説です。

 足跡が自然に消えてなくなるということはありえない話です。覚えていますか。君はぼふぼふと音を立ててまっさらな雪を潰してゆきました。なんの躊躇もなく、です。捨て置かれた事実は君を糾弾できる時が来るまでじ... 小説家になろう