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小説家になろう冒頭
タイムマシンの乗り方を知っているかいなんて言われて、そんなものはないよと答えたら、ないものは乗れないのかと聞かれて、そんなこと知らないよと返したが、ついさっきまでワタシは中学生だったのだと彼女は胸をはった。日当たりのよい席で、カップを持つ彼女の白い手に窓枠の陰がぼんやりと落ちていた。何の特徴もない音楽のなかで、シーリングファンがくるくると回っていて、土のような香り、眠気を誘うのに冴える湯気、カウンターで話している人たちの声、電卓を叩く音、外で走る車、何もかもが騒がしかった。情報
- 2019年01月29日
- 7928文字