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Text-Revolutions 第8回アンソロジー「花」冒頭
花にしたいなあ。遠見志真は黒板の前で友達と親しく話す彼女をあごでさした。「どう思う?」からあげの肉汁なのか俺のよだれなのかわからない。「どうも思わんが、花にするって?」ずるずると志真はうどんを食う。本来なら食堂で購入したうどんは食堂内で食べることが筋なのであるが、志真は転んで他人にあつあつの汁をぶちまけて火傷させる可能性に期待して三階の教室まで運んでくる。「彼女を拉致する。花になる液体を注射する。彼女は花になる。おわり」ふうふう。志真は猫舌なのでお昼はときどき会話がとぎれる。「なんかそれ犯罪っぽそう」「ああ、器物破損だね」この腐れ縁はとぎれない。情報
- 2019年01月29日
- 4182文字
備考
同人誌即売会イベント『Text-Revolutions』の公式アンソロジー企画で投稿した小説です。テーマは「花」です。