砂糖菓子の自由意志
無口系の妹が実兄に嫌々つきあって「あげる?」成人向け小説です。

あらすじ
お兄ちゃんが
あの手この手で
強姦してくる
いちゃいちゃ装い性的虐待
情報
- 18禁
- 挿絵なし
冊子版
登場人物
- 三科みい子
- みしなみいこ
- みい子の兄
- ・・・
- 謎のクラスメイト
- ・・・
履歴
- 2019年03月15日
- 冊子の完成
- 2019年03月21日
- 第8回Text-Revolutionsで頒布
- BOOTHで販売
- gumroadで販売
- 0000年00月00日
- 販売取下中
冒頭
ⅰ
どうしてこうなった、は無責任の言葉だ。
兄の部屋にゴキブリがわいたのも、どうもこうも歴史の観点からしてそうなるのは自明ということだ。なぜなら兄はとにかく怠惰でガサツでだらしなく部屋に持ちこんだお菓子やコンビニ弁当とジュースの残りを放置しているのだから、そうなるのは当然だ。
しかし、兄は言う。
「どうしてこうなった! どうしてこうなった!」
彼はギラギラのパジャマ服でリビングの床でのたうち回っていた。チン。電子レンジから温められたお好み焼きを取りだす。袋に入っていたソースと青のりをかけて、台所の端に打ち捨てられているマヨネーズをうねうね。四角い紙皿をそっと運んで席につき、転がっていたコンビニ袋からわりばしを取りだして、もぐもぐ。
「もうだめだあ。ゴキブリの糞でプリントが汚れていたし、枕元に小さなゴキブリがいたし、ゴキブリが飛んでくるし、俺の部屋はゴキブリの部屋だあ」
トートロジー? ごくごく。
「こんなにも憔悴しているのに妹は目もくれずに冷凍食品を食べているし、真向かいにある俺の席には何も置かれていないし、人生はセルフサービスか? いつのまにか靴が仕上がっている砂糖菓子を味わうことなく俺の人生は終わってしまうのか」
よっこいしょと立ち上がった兄は、私の背に回ってめりっと肩をつかんだ。
「それもこれもすべておまえに責任がある」
まーた。
「みい子。なぜ世の中から卑劣な強姦がなくならないか分かるか?」
少しだけ視線をやる。ぎざぎざの歯。隙間にはびっしりと白い汚れが付着していて左奥は欠けている。
「思うに、強姦が本当はいけないとみんな知っているはずなんだ。いくら女を歩くマンコや歩くオナホとしか考えていなくても、むしろそうやって考えるほうが相手の尊厳を気にしている。犯すことを罪だと感じるからこそ、その意識を軽減するために遠慮する価値もないやつだと言い聞かせる。そうやって知っているのに、なぜ強姦はなくならない?」
ルックアットお好み焼き。この味には飽きぬ。ずっと、毎日、食べていたくなる。ときどき、ちべたいところが好き。周りのぬるい部分と合わせて食べると口の中でひやりと溶ける。
「だいぶ難解な話になるから、おまえにわかりやすく簡潔に端的にいえば、コントロールされているからだ。俺たちの頭脳、頭はしょせん物質だろう? で、物質と物質がどうにかこうにか動いて命令を出して体が動くわけだ。それで悪いやつが――とびっきり悪くて、どうしようもなく悪くて、為す術もなく悪いやつが事故を装って物質を変形させることで人間の最適解を歪めてしまうんだ。だから、強姦はだめだとわかっているはずなのに、最適解は強姦することなので俺はおまえの服を脱がすことになる」
バンザイをさせられてパジャマを脱ぐ。兄は私の胸を「むにむに」や「ぺたぺた」と言いながら触る。どこまでも腹のたつ兄である。
「おまえがお好み焼きを食べて、俺がおまえを食べる。真理はいつも美しい言葉で出来ている」
ぱくぱく、むにむに、ぺたぺた、ごくごく。